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1年おきですけれども、北前船をテーマとするシンポジウムを関係者を集めて開き、1回目、2回目は60人程度だったのが、3回目では倍増したそうです。
それから、岡山県の新見市は、中世の新見荘があったところですが、荘園文書の中に女性が登場する。タマガキというのですが、東寺から下った祐清という坊さんのいってみれば現地妻だった。ところが祐清が荘内を巡検中殺されてしまう。そこで遺品を整理した上、白の小そでなど遺品3点を形身として私にいただけないでしょうかと東寺に願い出た手紙が残っているものですから、それにちなんで「愛の手紙」を全国に公募した。2か月で2,000人の応募があり、そのうち100点を選んで表彰し、中央公論社から本にまとめて出版するということでした。そんなわけで、ここではかなり純粋な研究というよりは、多くの人を巻き込んでいくような形のものにしております。
そのようなことをみますと、芸能を興し、維持していくというのとはまた別の困難さというものがありまして、本当にこれはそれを担当している人の見識と熱意というものがなければ、あしたにでもひっくり返って終わってしまうような要素というものをもっております。私が訪ねて行ったところはみんな熱心にやっておられましたが、印象に残っているのは、山口県豊北町の弥生パークの関係者が、それによって過疎に歯どめをかけるとか、人をふやそうというのではなくて、むしろ交流人口をふやす、よそからやって来る、かかわってくれる人をふやしていく。そして、みんな去っていってもいいではないか。そういう交流人口をふやすという形のものに発想の転換をしないといけないんではないかといっていた言葉です。その通りだと思います。
それから、鳥取県の溝口町の鬼の里づくりは行政先行型であり、箱づくりのほうが先行していました。大そう立派な建物ができていましたが、これから何を入れていくかというのが大変だと思います。行政が一つの文化事業として展開していく上で住民意識を高め、その理解を得つつ一緒になってやっていくというのは至難のわざであろうと思いました。訪ねて行ったところは、いろいろ問題がありますが、どこも一生懸命やっていると思いましたが、担当者がかわったらどうなるかという危惧は、いつも聞きながら抱いておりました。
鈴木委員長 皆さん、いかがですか。今の村井先生のお話を聞いて、発見する、振興する、維持する。しかも広域の中でやっていく、広い視野の中でやっていく。この辺どうお考えになりますか。
井上委員 その地域に過去から脈々と残っているような、そういうものを大事にしていく。それはいってみれば、先ほどから話が出ている郷土芸能であり伝統芸能、あるいは「伝統的工芸品」というのが各地にございますけれども、これなども、やっぱり江戸時代以来100年の歴史があるということが重要な要素の一つになっております。そういう意味
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